花の詩vol.67『キキョウ』(キキョウ科)

 キキョウは、キキョウ科キキョウ属の宿根草で、東アジアに広く分布しています。

 

 開花期は6~11月。星形の美しい花を咲かせます。

 

 英名は『Balloon Flower』。これは、蕾が風船のように丸く膨らみ、はじけるように咲くことから名付けられたそうです。

 日本では、江戸時代に多くの園芸品種がつくられました。当時の植物図譜に、緑色の八重咲きや花弁の切れ込みが深いもの、黄色い花のものなどが載っています。しかし、その多くは明治中期ごろには絶えてしまっていたようです。

 

 キキョウの自生種においては個体数が減少しており、絶滅危惧種に指定されています。

 

 

 北海道、日高山脈の西南端に『アポイ岳』という山があります。世界でも珍しい固有種の宝庫として知られています。このアポイ岳には「アポイギキョウ」が自生しています。草丈10~20cmの矮性種で、花が比較的大きいのも特徴です。

 

 近年では、小型種のキキョウの俗称として呼ばれることも多いようで、ロックガーデンや鉢植えなどで親しまれています。

 

 

 また、キキョウ属ではなくても、名前にキキョウのつくものがあります。例えばカンパニュラ属のイワギキョウ、チシマギキョウ、ロベリア属のサワギキョウなどです。これらは山野草として広く親しまれています(写真は1枚目がサワギキョウ、2枚目がイワギキョウ)。