花の詩vol.55『ロウバイ』(ロウバイ科)

 ロウバイは、中国原産のロウバイ科ロウバイ属の落葉低木です。

 

 漢字で「蝋梅」と表記はするものの、バラ科のウメとは全く別の植物です。

 

 樹高は2~4mほどで、細い枝をさまざまな方向へ伸ばします。

 

 開花期は一般的には12月~2月頃。新潟では1月上~中旬頃から咲きはじめます。

 

 花の少ない厳冬期に、黄色い温かみのある花を咲かせてくれます。

 中国では、ウメ・スイセン・サザンカと共に「雪中四友(せっちゅしゆう)」と呼ばれ、重宝されました。

 

 花びらには蝋をかけたような光沢があり、透けるような質感をしています。また、フルーティな甘い香りを発します。

 

 日本には、江戸時代初期に入ってきました。花のかおりが良いこともあり、庭木はもちろん、生け花や茶花として用いられました。

 

 ただし、現在一般的に出回っているものは原種のロウバイではなく、「ソシンロウバイ」もしくはその園芸品種だそうです。

 

 花弁の内側が茶褐色のロウバイに対し、ソシンロウバイの花は全体が黄色です。かつ、花も一回り大きく香りもつよいため、より好まれているようです。※この記事の写真はソシンロウバイです。

 もうそろそろ、ちらほらと開花をはじめる時期です。

 

 外に出るにはつらい季節ですが、天気のよい日はロウバイのかわいらしい花を探しに出かけてみてはいかがでしょうか?