花の詩vol.9『ナツツバキ』(ツバキ科)

ナツツバキは一名をシャラノキといい、ヒメシャラはナツツバキより花が小さいことからその名が付きました。

いつ、だれが言い始めたのか、仏教の聖樹である沙羅双樹に擬せられたのです。貝原益軒の「大和本草」にも沙羅樹としてでいますが、外来品とし、「真ニ沙羅樹、ナリヤ未詳」と記されています。

 

中国ではトチノキの仲間が沙羅樹と呼ばれ、日本ではナツツバキのほか、しばしばエゴノキ科ハクウンボクが沙羅双樹として寺院に植えられています。

 

初夏の6月・7月にツバキに似た花を咲かせるから夏椿。直径約5㎝。純白の花弁が万緑のなかですがすがしく感じられます。

 

ナツツバキの幹は一見リョウブに似た滑らかな肌から、サルスベリと呼ぶ地方もあります。